クロザリルの副作用 (クロザピン•抗精神病薬)
クロザリルの詳細な副作用です(医薬品添付文書より)。
ぜひ、よーくお読みになってみて下さい。
重大な副作用
1無顆粒球症、白血球減少症(いずれも2.6%)、好中球減少症(7.8%)
通常、投与中止により回復するが、致死的な転帰をたどる可能性もある。
2心筋炎、心筋症(いずれも頻度不明)、心膜炎(1.3%)、心嚢液貯留(5.2%)
死亡例も報告されている。安静時の持続性頻脈、動悸、不整脈、胸痛や心不全の症状又は徴候(原因不明の疲労、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には循環器内科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、投与初期により多く報告されているので、投与初期及び増量時には患者の状態を注意深く観察すること。
3胸膜炎(頻度不明)
感染を伴わない胸膜炎があらわれることがあるので、呼吸困難、発熱、胸痛等があらわれた場合には速やかに胸部X線検査等を実施すること。異常が認められた場合には感染症等との鑑別診断を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4高血糖(9.1%)、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明)
高血糖があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至った例も報告されている。臨床症状の観察を十分に行い、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意し、異常が認められた場合には速やかに糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行うこと。また、糖尿病性ケトアシドーシス又は糖尿病性昏睡の徴候が認められた場合には投与を中止し、インスリン製剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
5悪性症候群(1.3%)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。
6てんかん発作(1.3%)、痙攣(2.6%)、ミオクローヌス発作(1.3%)
本剤は用量依存的に痙攣閾値低下をもたらし、脳波変化を生じ、痙攣発作を引き起こすおそれがある。特にてんかんの既往歴のある患者では注意深く観察を行い、本剤の急激な増量を行わないこと。このような場合には減量又は中止し、抗痙攣剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
7起立性低血圧(15.6%)、失神、循環虚脱(いずれも頻度不明)
起立性低血圧、失神があらわれることがあり、循環虚脱から心停止、呼吸停止に至ることもある。投与初期の漸増を行う時期に急激に増量した場合により多くみられるため、注意深く観察すること。
8肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9劇症肝炎、肝炎、胆汁うっ滞性黄疸(いずれも頻度不明)
10腸閉塞(5.2%)、麻痺性イレウス、腸潰瘍、腸管穿孔(いずれも頻度不明)
本剤の抗コリン作用により腸閉塞、麻痺性イレウス、腸潰瘍、腸管穿孔があらわれ、死亡に至った例も報告されている。便秘等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
その他の副作用
血液及びリンパ系障害
白血球増加(33.8%)、好酸球増加(13.0%)
血小板減少、血小板増加、貧血
代謝及び
栄養障害
口渇、体重増加(18.2%)、体重減少、高トリグリセリド血症(14.3%)
高コレステロール血症
精神神経系障害
傾眠(63.6%)、めまい(20.8%)、頭痛(10.4%)
鎮静
錯乱、せん妄、落ち着きのなさ、不安・焦燥・興奮、強迫症状、吃音、コリン作動性薬物離脱症候群(発汗、頭痛、悪心、嘔吐、下痢等)、下肢静止不能症候群
錐体外路症状
振戦(19.5%)、アカシジア、構語障害、遅発性ジスキネジア
筋固縮、ジストニア(側反弓)
眼障害
霧視
心障害
頻脈(26.0%)、心電図変化
QT延長
不整脈、動悸、心房細動
血管障害
血圧低下
高血圧
呼吸器系障害
肺炎
誤嚥、嚥下性肺炎、呼吸抑制、呼吸停止、下気道感染
消化器系障害
流涎過多(46.8%)、便秘(33.8%)、悪心(24.7%)、嘔吐(23.4%)、消化不良
嚥下障害、耳下腺腫大、下痢
口内乾燥
肝臓・胆管系障害
肝機能検査値上昇(ALT増加(33.8%)、AST増加(15.6%)、γ-GTP増加(15.6%)等)
膵炎
皮膚・皮下組織障害
発疹
血管性浮腫
腎臓・泌尿器系障害
尿失禁(13.0%)
尿閉
間質性腎炎
生殖器障害
持続勃起症、逆行性射精
全身障害
疲労・けん怠感(16.9%)、発熱(16.9%)、発汗・体温調節障害
筋力低下、筋肉痛
臨床検査
CK増加(10.4%)、ALP増加(14.3%)、LDH増加、プロラクチン増加(13.0%)、TSH低下(10.4%)
脳波異常
【クロザリルの詳細な妊娠時の危険性情報は以下の通りです(医薬品添付文書より)】
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物を用いた生殖発生毒性試験において、胚・胎児毒性及び催奇形性は認められていない。プロラクチン濃度の増加に伴う二次的な影響と考えられる性周期の乱れ、交配所要日数の延長、着床前死亡数の増加及び受胎動物数の減少(ラット、20あるいは40mg/kg/日、経口)が、母動物の体重減少に伴う二次的な影響と考えられる胎児の発育遅延(ラット及びウサギ、40mg/kg/日、経口)及び流産(ウサギ、40mg/kg/日、経口)が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている。