デパケンの副作用 (バルプロ酸ナトリウム•双極性障害治療薬)
デパケンの詳細な副作用です(医薬品添付文書より)。
ぜひ、よーくお読みになってみて下さい。
デパケン錠100mg/デパケン錠200mg
副作用
副作用等発現状況の概要
○各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害
錠(200mg)、シロップによる承認時及び1977年12月までの副作用頻度調査において、10,563例中、副作用の発現例は1,529例(発現率14.5%)で、2,141件であった。
主な副作用は傾眠582件(5.5%)、失調・ふらつき383件(3.6%)、嘔気・悪心・嘔吐274件(2.6%)、食欲不振182件(1.7%)、胃腸障害157件(1.5%)、全身けん怠感73件(0.7%)等であった。
○躁病および躁うつ病の躁状態、片頭痛発作の発症抑制
本剤の躁病および躁うつ病の躁状態、片頭痛発作の発症抑制に対する使用においては、厚生省「適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて(研第4号・医薬審第104号)」通知に該当する医療用医薬品として承認されたため、副作用発現頻度が明確となる国内での調査を実施していない。
重大な副作用
1.
劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等を起こすことがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあるので、定期的にアンモニア値を測定するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.
溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.
急性膵炎があらわれることがあるので、激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値の上昇が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.
間質性腎炎、ファンコニー症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6.
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.
過敏症症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
8.
脳の萎縮、認知症様症状(健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等)、パーキンソン様症状(静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1~2ヵ月で回復している。
9.
横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビンの上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10.
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿等があらわれた場合には水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。
*11.
間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 血液
0.1%未満
白血球減少
2. 血液
頻度不明注)
貧血、好酸球増多、血小板凝集能低下、低フィブリノーゲン血症
3. 精神神経系
5%以上
傾眠
4. 精神神経系
0.1~5%未満
失調、頭痛、不眠、不穏、視覚異常
5. 精神神経系
0.1%未満
感覚変化
6. 精神神経系
頻度不明注)
振戦、めまい、抑うつ
7. 消化器
0.1~5%未満
悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、便秘
8. 消化器
0.1%未満
口内炎、下痢
9. 消化器
頻度不明注)
食欲亢進、腹痛
10. 肝臓
頻度不明注)
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇
11. 皮膚
0.1%未満
脱毛
12. 過敏症
0.1~5%未満
発疹
13. その他
0.1~5%未満
けん怠感、夜尿・頻尿、鼻血
14. その他
0.1%未満
口渇、浮腫、月経異常(月経不順、無月経)、発熱
15. その他
頻度不明注)
血尿、高アンモニア血症、歯肉肥厚、体重増加、尿失禁、多嚢胞性卵巣、カルニチン減少
上記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
注)「抑うつ」については国外報告、それ以外は国内自発報告に基づく。
【デパケンの詳細な妊娠時の危険性情報は以下の通りです(医薬品添付文書より)】
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を有する児を出産したとする報告がみられる。]
2.
妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単剤投与することが望ましい。[他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用して投与された患者の中に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。]
3.
妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症等があらわれることがある。
4.
妊娠中の投与により、新生児に低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)があらわれるとの報告がある。
*5.
海外で実施された観察研究において、妊娠中に抗てんかん薬を投与されたてんかん患者からの出生児224例を対象に6歳時の知能指数(IQ)[平均値(95%信頼区間)]を比較した結果、本剤を投与されたてんかん患者からの出生児のIQ[98(95‐102)]は、ラモトリギン[108(105‐111)]、フェニトイン[109(105‐113)]、カルバマゼピン[106(103‐109)]を投与されたてんかん患者からの出生児のIQと比較して低かったとの報告がある。なお、本剤の投与量が1,000mg/日(本研究における中央値)未満の場合は[104(99‐109)]、1,000mg/日を超える場合は[94(90‐99)]であった。1)
*6.
海外で実施された観察研究において、妊娠中に本剤を投与された母親からの出生児508例は、本剤を投与されていない母親からの出生児655,107例と比較して、自閉症発症リスクが高かったとの報告がある[調整ハザード比:2.9(95%信頼区間:1.7‐4.9)]。2)
7.
動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生児の先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある。
8.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]